悲劇のヒロイン週間 -1週間目-

すず奴です。

先日書いたブログががん告知日の内容だったので、読んでくださった方々に
とーっても心配されてしまいました(汗 すみません。
皆さまご心配いただきありがとうございます。嬉しいです◎
みんな優しいなぁーっ

さてさて今日は悲劇のヒロイン週間のことを書きます。長文で暗いですw


8/14にがん告知を受けてからがんのステージが分かるまで、2週間の間が
あった。この2週間はとても辛かった。


■8/15

8/17レコ発で発売するsuzumiki「ザ・ミゼラブルズ The Miserables」の
ジャケットを作るべくプリンタを買いに量販店へ。
ずっと使ってたcanonのプリンタが壊れたのだ。epsonに変えた。

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20:00からたをやめのリハ。つらかった。

帰宅してジャケット印刷の続き。35枚完成。疲れたw


■8/16

朝から「otogamenashi おとがめなし」を5枚、「亡命 -seeking Asylum-」
を10枚量産する。

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おとがめなし

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亡命


昼、本屋で乳がんの本を3冊買った。
でもページを開く勇気が出ず楽器の練習したり、明日のsuzumikiライブの
シナリオを暗記したりして過ごした。

気力を振り絞ってバークリーにメールを送る。
– 入学時期を延期できるか?
– 延期できた場合、奨学金も変わらない額でもらえるか?
– 延期できた場合、ビザも今のまま変更しなくてよいのか?

「入試受け直して」って言われて終わりかなぁ。日本の大学だとそう言わ
れそうだよね。

今年の2月に浜松で行われた入学試験。
大学入試とも、就職活動とも、うつになって会社を辞めたときとも違う種
類のプレッシャーにさらされてしんどかったw
だって私は楽器も英語もうまく無い上に36歳だ。才能も時間もない。
TOEFLも合格点ギリギリ。色々ギリギリの中で掴んだ最後のチャンス。

入試のストレスに再度耐える気力は無い。もう無理。
入学延期がNGだったら留学は諦めよう。悔しいけどしょうがない。


■8/17

この日は忙しかった。
昼、浴衣でたをやめライブ@すみだストリートジャズ。暑かった。

一度家に帰って、大量の荷物を抱えてタクシーで渋谷ラストワルツへ。
南国☆パンティーズとsuzumikiのリハを終え、新宿のタワーレコードへ。
たをやめインストア@新宿タワーレコードに出た後、タクシーで渋谷へ。

suzumikiのレコ発イベントは本当に楽しかった。
自分の企画だから好きなアーティストばっかり集まってるし、久しぶりに
会いに来てくれた友だちと話して、楽器たくさん吹いて、ごろごろにゃー
んとか太ももの曲やって、わいわいして。

レコ発で「留学します!たをやめ辞めます!」って告白するつもりだった
のに言えなくなったことだけが残念。言いたかったことを言えないってし
んどい。

ライブの後、ルミエさんタカコちゃんと一緒に飲んだ。

「なんだかんだ言ってすずちゃんは太ももの後もsuzumikiでCD出したり
 ツアーしたりちゃんと音楽活動やっててすごい」
「今日も朝からライブ4本こなしてて本当にタフだと思った」

って言われてめっちゃ嬉しかった。
自分のやってることなんてたいしたこと無いとつい思ってしまうから、
言葉に出して肯定してもらえるって本当に嬉しい。
太ももやってて本当に良かった。太もも始めた自分、本当に偉い!
自分のやってたことに救われるという不思議。ありがたい。


■8/18

たをやめインストアライブ@ららぽーと柏の葉HMV。野外ライブ2セット。
暑かった。


■8/19

左手が痺れるのと、右足首が痛むので整形外科へ。
長い待ち時間を有効活用すべく、乳がんの本をようやく開いた。
手術で切除した部分に体液がたまる、それを排出するためにドレーン(管)
をつけたまましばらく過ごす、っていう箇所でしんどくなって本を閉じた。
しんどくて続きが読めなくなるという新鮮な読書体験。

ドレーン・・体液・・排出・・むむぅ・・悶々としながら診察へ。

「手の痺れは自然治癒する」けど「右足は靭帯損傷してるね、もう治らない
ね、運動あまりしちゃダメよ、ヒール禁止」と診断された。

ほほぉ・・靭帯損傷でござるか。
自分がどんどんポンコツになっていく気がして落ち込む。

夜は最後のトロンボーンレッスンへ。
バークリー卒の先生なので、留学の延期って可能なものなのか聞いてみた。
事務局は仕事しないヤツが多いからタイガー大越さん(トランペット奏者、
バークリーの教授)に直接連絡してみなよ、とアドバイスされた。

バークリーからの返事はまだ無い。
違う部署にもメールを送ってみた。
タイガーさんへの連絡は最後の手段にとっておこう。


■8/20

朝から夜までゆきのちゃんデート


■8/21

8:20、病院へ。生検を受けた。
麻酔して、がん細胞を取る。バネ式生検と言われるもので、少し太い針を刺
してバネではじいて細胞を取るのだけど、はじかれる瞬間に鈍い痛みが走る。
血がけっこう出た。

この生検でがんの詳しい状態やステージが分かるとのこと。
結果が出るのは1週間後。

針の跡から感染しないよう、おっぱいにごっついガーゼをあてられテープで
がっちり補強された。

家に帰って楽器を持って渋谷へ。たをやめコケストラのリハをやった後、
渋谷タワーレコードへ。今日もたをやめのインストアライブだ。

たをやめは今、CDが全国発売になってライブも増えてみんな活き活きした
熱気に包まれている。たをやめの一員になりきっているときは大丈夫なのだ
けど、気を抜くとその熱気についていけなくなりそうで怖い。

この日、初めてリョコさんに会った。
一目で素晴らしい才能と美貌と若さの持ち主だと分かった。

この頃から若く美しい女性ミュージシャンがいつも以上にまぶしく見えて、
よせばいいのにそんな彼女らと自分を比較して勝手に落ち込むようになる。


帰宅。ダンナは海外出張に行っていて私一人。
一人でいるとつい、乳がんの本を読んだりネットで調べたりしてしまう。
最悪の事態を想定しておけば、生検の結果がどう出ても受けとめられるだろ
うから。賢い患者でいたいから。しかし知れば知るほど気持ちは落ち込む。

全摘なら再建したいけど後背筋皮弁法でいけるかな・・私の背中ってあんま
り脂肪無いからシリコン薦められるかな・・エキスパンダー取れるまでけっ
こう時間かかりそうだな・・転移してたらどうしよう・・ホルモン療法必要
になったら妊娠できるようになるまで何年もかかる・・子ども諦めなあかん
のかな・・・この年になるまで子どもも作らず自由に生きてきたバチがあ
たったんかな・・・私、いつどこで何を間違えたんだろう。どうしてたら
良かったんだろう。なんでこのタイミングなんだろう。もう時間がないのに。

まるで悲劇のヒロイン。自分より不幸な女はこの世にいないって勢い。
いつも以上に自分のことばっかり考えてよく泣いた。


悲劇のヒロイン週間、なんとまだまだ続きます◎www



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